働く人を知る
働く人を知る
「やりたい」を尊重し、
得意分野を伸ばす教育


Chapter 01動物看護師の役割と責任の進化
私は現在、ウェルネスセンターで施設長を務めていますが、動物看護師になる前は全く違う業界、溶接の仕事をしていました。動物が好きで、動物に囲まれた職場に憧れて動物看護の道に進むことを決意し、ここまでキャリアを積んできました。
動物看護師が国家資格化される前から看護師として働いていましたが、資格取得のタイミングは一つの大きな転機でした。国家資格を取るために、仕事と勉強を両立させる日々はとても大変でしたが、なんとか合格できてホッとしたのを覚えています。資格取得後は、看護師に求められる役割が大きく変わりました。例えば、問診を取って診察に回す、急患対応をする、トリアージを行うなど、動物看護師の指示を待つだけではなく、看護師が主体的に動きながら診療を進める場面が増えました。
管理職として部下を持ち始めたのは約7年前からです。現在、資格を持って入職してくるスタッフも増えていますが、資格取得のシステムが変わり、学校に行けなかったり勤務年数の要件を満たせないスタッフもいます。その場合は、ケアスタッフとして看護業務をサポートする形で働いてもらっています。
Chapter 02医療センターとウェルネスセンターの役割分担
医療センターでは、動物看護師の資格を持つスタッフが医療に関わる業務を担当しており、診療や手術の補助、急患対応などが中心です。一方、ウェルネスセンターはペットホテルやトリミング、ペット教室などを行っており、医療とはまた違った側面で動物たちをサポートしています。こちらではケアスタッフが活躍しており、ホテル業務をメインで担当しています。
ウェルネスセンター内のペットホテルは、2024年8月にオープンしたばかりですが、すでに多くの飼い主さんに利用いただいています。特にお盆休みの時期には、犬9頭が宿泊し、忙しくも充実した時間を過ごしました。ホテルには犬用のプレミアムルームやスタンダードルーム、猫用の個室もあり、大型犬や複数の猫が快適に過ごせる広々とした空間が用意されています。
私自身も大型犬を飼っているので、ウェルネスセンターの新しい施設の良さを実感しています。以前のようなケージや狭いスペースではなく、家と同じような環境で預けられるのは、飼い主としてとても安心できます。また、プレミアムルームでは宿泊中の様子をSNSで飼い主さんに共有しており、これも安心感を提供する一つのポイントだと思います。
飼い主さんが旅行などで愛犬や愛猫を預けるとき、「少し心苦しい」と感じる方も多いと思いますが、ウェルネスセンターの快適な環境なら、そうした負担を軽くできるのではないでしょうか。


Chapter 03スタッフの興味を尊重する柔軟な体制
当院で働いていて、ここ数年で労働環境が大きく改善されたと感じています。時間管理がしっかりしており、遅番・早番のシステムが導入されているおかげで、残業時間が以前より大幅に減りました。緊急の手術などは仕方ありませんが、それ以外の業務はスケジュール通りに進められるようになり、夜遅くまで残ることがほとんどなくなりました。以前は22時頃まで病院にいることも珍しくなかったのですが、今では遅くとも20時には帰れるようになり、残業も1日1時間程度に収まっています。このような働きやすさの向上は、時代に合わせて経営層の考え方が変わった結果だと思います。
また、病院の方針として、スタッフの興味や得意分野を尊重する姿勢が取られています。例えば、手術に興味がある人は積極的にオペに入れるよう配慮されていますし、新人スタッフが自分の興味を活かして成長できる環境が整っています。これは、スタッフが得意分野を伸ばしやすく、やりがいを感じながら働ける大きな要因だと思います。
入職したばかりのスタッフに対しても、まず「何をやりたいか」をしっかりヒアリングし、その希望を可能な限り尊重する形で業務を割り振るようにしています。入職当初から希望の分野で経験を積むチャンスを与えることで、成長を後押ししています。

Chapter 04命の重みを感じながら成長できる仲間を募集
動物看護師の国家資格を持つことで医療業務の幅が広がるのは確かですが、資格がなくてもケアスタッフとして動物たちを支える役割を果たせます。動物の世話や保定といった仕事は、どちらの立場でも重要な役割を担っています。
とくに最近の新卒スタッフは、基礎知識がしっかりしていることもあって成長がとても早いです。数ヶ月間OJTで先輩について学んだ後は、自分の考えで業務を進められるようになり、1年も経てば一人前として働けるようになります。教育体制としては、特定のステップに縛られることはなく、スタッフそれぞれの得意分野や興味を重視しています。たとえば、オペに興味がある人はオペ中心に、整形に興味がある人は整形の仕事を優先的に担当する形で、スキルを伸ばしていけるよう配慮しています。
また、福利厚生の一環として、セミナーへの参加費を病院が援助してくれる仕組みもあります。私自身、セミナーを通じて新しい知識やスキルを得る機会を活用しており、学びを仕事に活かせるのはとてもありがたいと感じています。
一緒に働く仲間として求めるのは、何より動物が好きで、責任感があり、やる気のある方です。この仕事では動物の死に直面する場面も多く、自分のペットでは一生に一度の経験でも、動物病院ではそれが頻繁にあります。そのたびに胸が痛みますが、飼い主さんに寄り添い、動物たちの最期を見届けることもこの仕事の大切な一部です。こうした経験を乗り越えられる強さを持ちながら、日々の仕事に取り組める方と一緒に働きたいと思っています。